ペリカンは、創立175年を迎える、ドイツの老舗万年筆ブランドです。
そのブランドロゴマークには、雛たちにえさを与える親ペリカンと、我先にとえさを求める
かわいい雛たちの姿が描かれています。万年筆をご愛用されている方は、家庭を持って
このペリカンのロゴマークのように家族を養っていたり、職務上の部下たちを働きやすいように
マネジメントしておられる方が多いでしょうから、とてもシンパシーが得られるものだと思います。
ペリカンのブランド創設者であるギュンター・ワーグナーの子供が3人であったために、初期の
ペリカンのロゴマークに描かれている雛の数は3匹でしたか、後にワーグナー氏に第4子が生まれたので、
ロゴマークの雛の数も4匹に増やしたというほほえましいエピソードもあります。
ペリカンの万年筆は、構成しているどの部品をとってみても、入念にこだわりつくされているのが
特徴です。今回はそのなかでも、ペン先と胴軸をみてみましょう。ペリカンの万年筆のペン先は、
まず14金か18金で出来た板を湾曲させたものを、ペン先の形になるように機械で打ち抜き、
その先端にイリジウムというプラチナ系金属を溶接して、研磨されます。
どの工程においても、職人の手による熟練の技術が不可欠で、彼らの魂が注ぎ込まれたペン先は、
あなたに書く喜びをこの上なく感じていただくことができるものになっています。
ペリカンの万年筆の胴軸には、これぞペリカン、というシンボル的なデザインを有するものがあります。
それが1980年に発表されたスーベレーンです。緑色と黒のストライプが入った、このモデルの同軸
は、模様が表面に印刷されているのではなく、素材自体が縞模様になっているのです。
これは、色の異なる2種類の樹脂を交互に重ねあわせ、それを縦に薄くスライスすることで生み出されます。
その美しさはまるで、伝統工芸の組み木細工のようで、そのデザインを目に留めると、
生物の輪廻であるとか、悠久の時を重ねて形作られ、現代の私たちに
その歴史を積み重ねた姿を見せてくれる地層の姿といった、何か壮大なスケールの
思考にいざなってくれる気がします。それによって、大局を見据えて、多くの人が幸せになれる
仕事をしたくなるのは、私だけではないでしょう。
ペリカンがあなたの文筆にかかわるお仕事を応援するのは、万年筆本体によってのみではありません。
万年筆用のインクの製造、販売においても、ペリカンは世界の万年筆愛好家に貢献してきました。
そもそもペリカンは、1838年に、手ごろな値段で手に入る水彩絵の具を社会に普及させ、
絵画の文化の普及による文化レベルの底上げを図るという崇高な理念の元、インクと水彩絵の具の
製造を始めたのが会社の原点なのです。
黒や青の、きりりと仕事を引き締める定番のインクから、水彩絵の具の製造で培われた目にも鮮やかな
カラーインクなど、あなたのご要望にあわせた最高級のインクを提供しているのです。