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ウォーターマン

  • 3月 06 / 2020
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ウォーターマン



ウォーターマンという万年筆ブランドの歴史は即ち、万年筆の歴史です。
なぜなら、創業者のルイス・エドソン・ウォーターマンそのひとが
万年筆を初めて作り出した人だからです。
彼は万年筆を開発する以前、保険外交員の職についていました。
ある日大口の契約を取り付けることに成功した彼は、契約書にサインをするために
ペンを取り出しました。そのときにペンからインクがこぼれ、
その処理に追われているうちに契約を他社に取られてしまったというエピソードがあります。
このように当時のペンは注意して使わないと、インクのボタ落ちが起こるという難点を抱えていました。
このエピソード以来、ウォーターマン氏は適量のインクを供給し続けるペンの開発に没頭します。
そして彼が注目したのが、毛細管現象でした。

毛細管現象とは、外部から液体に何らかの力を加えなくとも、
液体の持っている表面張力が作用して、液体に触れた細い管の中に液体が
染み渡っていく現象のことを言います。私達の周りに生えている草木も、
この方法で水を吸い上げています。毛細管現象は、液体の表面張力が大きく、
管をまっすぐ液体に接触させたときに強く働き、また、液体そのものの比重が軽く、
管の半径が狭いほど強く働きます。
この現象をペンに活用することで、普段は狭い溝でインクがせき止められ、
ペン先を紙に触れると毛細管現象によってインクが出てくるという万年筆の基本形が完成しました。

仕事での失敗を、新しい筆記用具の発明というクリエイティブな結果に結びつけたウォーターマンは、
その後も書く仕事をする人にとってうれしい機能を開発します。
多忙なビジネスマンにちょうどよい、クイックに「パチッ!」とはまるキャップや、
万年筆をポケットに収納しておく際に便利なクリップなど、
今では万年筆のみならず、津々浦々の筆記用具に採用されている基本的なアイデアも
ウォーターマンをルーツにしているものがあるのです。
そういう意味でも、ウォーターマンは筆記用具界のマイルストーン的な存在であるといえるでしょう。

ウォーターマンの万年筆の中でも、実用性とデザインの高さ、価格のお求めやすさが高次元で融合した
人気のあるシリーズがエキスパートです。エキスパートに用いられるペン先は鉄製で、
この鉄という素朴な素材の良さを引き出し、ウォーターマン独自の書き味を実現しているのも
特筆すべき部分です。インクを吐き出す溝の幅は狭く、ペン先は、簡単にはしならないハードさを
たたえていますから、お使いになる方の筆圧や筆の角度に対して、文字がナーバスに影響されすぎない
という特徴があります。このため、電話応対や、インタビューのメモなどの
すばやく書くことが要求される場面には非常に適しており、すばやく書いても文字がつぶれずに、
後から容易に読み取ることが出来るのです。

100年以上に渡って、知識労働を生業とする人達を応援し続けてきたウォーターマンの万年筆。
あなたのパートナーとして、頼もしい存在となってくれることでしょう。


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